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【メリットが多い】中小企業の優遇税制

会社は規模に応じて大企業と中小企業に分類されます。日本の会社のうち99%以上が中小企業であり、中小企業は大企業と比べて税制上の優遇策が設けられています。ここでは中小企業が恩恵のある優遇税制についてご紹介します。





中小企業の定義

中小企業の定義は法律によって異なります。法人税法の中小企業の定義は「資本金が1億円以下の法人」、中小企業基本法では業種により資本金と常時使用する従業員の数で判定を行います。

ここでは、法人税法における中小企業の優遇税制を解説しますので、中小企業の定義は法人税法によるもの、すなわち「中小企業=資本金が1億円以下の法人」として解説します。




法人税率の優遇

中小企業は中小企業者の軽減税率の特例により大企業に比べて優遇された法人税率になっています。中小企業者の軽減税率の特例は期限付きの特例ですが、令和5年3月31日まで延長になっています。






欠損金の繰越制度の利用

青色申告で法人税申告を行う中小企業は、欠損金(税務上の赤字)が発生した場合に欠損金を10年間繰り越すことができます(平成30年4月1日以降に発生した欠損金)。また、欠損金が発生した前1年以内に開始した事業年度に法人税の納付がある場合、その欠損金を充当し還付を受けることができる欠損金の繰戻還付制度の適用も受けることができます(要は、前の年が黒字で法人税を払っていて、今年が赤字になった場合、今年の赤字と去年の黒字を相殺して、去年の黒字をなかったこと(ゼロにする)にできる、という制度です)。


大企業についても欠損金の繰越控除を利用することができますが、欠損金の控除限度額が制限されており、欠損金の控除限度額は所得金額に一定割合を乗じた金額となります。また、大企業は欠損金の繰戻還付制度は適用されません。




交際費の優遇

法人税法では原則として交際費は経費になりません(交際費の損金不算入)。ただし、中小企業については、特例として、年間800万円以下の交際費については全て経費(損金算入)にすることができます(交際費等の損金不算入制度の特例)。


大企業では、交際費は原則として全額経費になりません。ただし、接待飲食費については、飲食費の50%を損金算入することができます。




貸倒引当金繰入の損金算入

中小企業が行う債権に設定する貸倒引当金の繰入額は法人税法で定められている繰入限度額まで損金算入することができます。一方、大企業(銀行などの一定の業種を除く)は、貸倒引当金の繰入額を税務上の損金とすることができません。



30万円未満の資産の損金算入

少額減価償却資産(取得価額30万円未満)を取得した場合、中小企業は取得価額全額を損金算入することができます。ただし、損金算入する少額減価償却資産は年間300万円までとなります。

※少額減価償却資産の規定を利用できる中小企業は、従業員が1,000人未満である必要があります。



中小企業投資促進税制の利用

中小企業が機械装置やソフトウェアなどの一定の投資を行った場合に特別償却(基準所得額×普通償却+30%)または税額控除(基準所得額×7%)の適用を受けることができます。



中小企業経営強化税制の利用

中小企業経営強化税制は中小企業投資促進税制と類似する制度ですが、中小企業が事前に「経営力向上計画」を申請し、認定を受けて特定の機械装置や器具備品などの投資を行うことで即時償却(100%償却)または税額控除(10%)の適用を受けることができます。



まとめ

今回ご紹介した制度の他にも雇用促進税制の特例や試験研究費の税額控除の特例など、中小企業には大企業にはない多くの優遇制度があります。これらの制度を積極的に経営戦略に取り込むことでより安定した経営を行うことができます。当会計事務所では中小企業が利用できる優遇税制のご提案やサポートを行っています。お気軽にご相談ください。





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