将来を見据えて広告宣伝費で節税する方法と注意点

最近ではリスティング広告やアフィリエイト広告などのWeb広告市場の拡大もあり、会社の商品やサービスを宣伝する選択肢が増加しています。広告宣伝費の支出は節税対策にも利用されており、他の経費を増加させる方法より将来のリターンを得られる点で効果的な方法です。ここでは広告宣伝費に支出することでの節税対策についてご紹介します。




節税は経費を増やすことだけではない


会社の決算や年末が近づくと「思った以上に利益がでている」と気付き、利益を圧縮するために余計な支出をしてしまうケースが見受けられます。その支出が本当に必要な支出であれば問題ないのですが、必要のない支出まで行ってしまうと税金を納税する以上に資金が減少してしまいます。節税対策を行ったために資金が減少し、資金難になってしまっては元も子もありません。こういった時に活用できる節税対策は広告宣伝費を支払う方法です。



なぜ広告宣伝費へ支出した方がいいのか


広告宣伝費への支出を行うと、モノを購入した時と同じように資金は流出します。ただし、広告宣伝費を支出することとモノを購入することの違いは将来のリターンです。広告宣伝費に支出することは将来の売上へ貢献することになり、モノを購入することでの節税に比べ効果的な方法と言えます。



交際接待費にならないように注意


広告宣伝費は場合によって交際接待費とみなされることがあります。交際接待費とみなされると中小企業であれば交際接待費の支出が年間800万円を超えた部分、または接待飲食費の50%を超えた部分のいずれか少ない方の金額に法人税が課税されてしまいます。広告宣伝費に支出する際は、交際接待費に該当しない支出かどうか確認しましょう。



交際接待費とみなされない広告宣伝費

不特定多数の人に対して宣伝効果を目的として支出した費用は交際接待費とみなされず、広告宣伝費として処理することができます。


例)

・「一般消費者」へ抽選で金品の交付や、旅行・観劇などに招待するための費用

・金品引換券付販売に伴い、一般消費者に金品を交付するための費用

・小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用

・一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用

・得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用




交際接待費とみなされる広告宣伝費

広告宣伝費を支出する会社と相手先が「不特定多数の関係」に該当しない場合は、交際接待費とみなされてしまいます。不特定多数に該当しない関係とは次のような場合です。


例)

・医師や病院と医薬品の製造・販売業者

・建築業者と建築材料の製造。販売業者

・理容業者と化粧品の製造・販売業者

・農家と農業資材の製造・販売業者



広告宣伝費を資産計上しなければならない場合

Web広告や新聞広告、テレビ広告、チラシ広告等はその広告の効果に関わらず広告を行った時に税務上の経費として取り扱われます。しかし、広告の方法によっては税務上の経費にならず資産計上しなければならない場合があります。


<前払費用になる広告費>

一定期間にわたって継続的に広告宣伝を行う場合で一括してその費用を支出している場合は翌期以降の分は前払費用として処理します。


<貯蔵品になる広告費>

カタログやパンフレットなどの広告用消耗品が期末に残っている場合、金額的に軽微なものを除いて貯蔵品として処理します。


<固定資産になる広告費>

看板やネオン、PRビデオ作成費用などで10万円以上かつ耐用年数が1年を超える場合は固定資産として処理します。


<繰延資産になる広告費>

広告用固定資産(看板など)を特約店へ贈与した場合は繰延資産として処理します。




まとめ

今回は広告宣伝費による節税対策についてご紹介しました。広告宣伝費は将来への売上につながるプラスの費用です。事業に必要ない余計なものを購入して節税対策を行うより、将来を見据えて広告宣伝費に支出する節税対策の方が効果的です。


ただし、広告宣伝費は相手先や支出の内容によって税務上の交際費や資産になってしまい節税対策として有効でなくなってしまう可能性があります。当事務所ではこういった注意点についてのご相談も承っております。お気軽にご相談ください。